社長BLOG
SkypeやOpenPNEのような、ハードウエアを持たないインフラ事業の考え方
- 2010-01-21 (木)
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世界最大の国際通信キャリアは「Skype」に – 米TeleGeography調査 | ネット | マイコミジャーナル
ついに来た。KDDIでもNTTコミュニケーションズでもなく、Skypeが世界最大の国際通信キャリアになった。
私はSkypeに注目している。
SkypeはOpenPNEと同じようにハードウエアを持たないでインフラ事業を手がけ、それに成功しているからだ。
ハードウエアを持たないインフラ事業がどういう物か?
なかなかわかりにくいかもしれない。
Skypeのすごいところは、ほとんどハードウエア資産を持たずにP2Pソフトウエアだけで、通信ネットワークインフラを作り上げてしまったというところだ。
Facebookやmixi、GREEなどのSNSもめちゃくちゃすごいが、サーバインフラとしてハードウエアを保有している点で、オールドスタイルだ。ソフトウエア技術単体での最高の成果はSkypeだとおもう。
既存のインフラとは、戦略もシェアや売上げに関する考え方もまるで違うだろう。
たとえば、電話インフラを例にとると通常はこのような試算になる。
・この地域には200万人住んでいる
・もし電話が使えるようになれば100万人が利用しそうだ
・100万人をカバーする電話アンテナを立てるには1億円かかる
・となると1人から100円とればトントン、それ以上は儲けになる
・色々なキャンペーンや広告費を使っても、一人当たり150円のもうけは間違いない
・それなら儲かりそうだ。よし、やろう!
と言う感じ。実際にはもっと複雑だろうが、ポイントは
対象となるユーザー数を元にして事業計画を決めているところ。
対して、ハード投資の無いインフラはどうなるだろうか?ソフトウエアの場合、コストはほぼ100%が人件費になる。この人件費が判断のベースになるのだ。
・うちのソフトウエアエンジニアは10人いる
・1人当たりの年間コストは 1,000万円だ
・1億円儲けられればトントン、それ以上はもうけになる
・どうも国際電話は1億人が使ってるそうじゃないか、ニーズも高い、この利便性なら150円にしても100万人は堅いだろう
・それ以上の人数は今すぐに儲ける必要が無いので、将来ユーザー確保のための宣伝だと、無料で配ってしまえ
というロジックになる。
最初に「ソフトウエアを創造できるエンジニアが10人にて、、、、」と言うところからストーリーが始まるのが、とてもステキではないか?
この成功を研究して、OpenPNEも発展させるよ。