社長BLOG
日経の電子新聞が苦労する3つの理由
- 2010-02-25 (木)
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日経の電子新聞は3つの要素で苦労すると見ている。
全員じゃない
当然すべての日経新聞購読者(その家族、会社購読ならその社員)が対象になるべきで、新聞の既存購読者から追加料金をとるなどの制限を加えるのは賢くない。
料金設定としては、もし月額4,000円をセットするのであれば、自分ならこうする。
1.日経新聞既存購読者とその家族、社員は無料利用可能に
敷居は低くして追加料金で取る。これは鉄則だろう。月4,000円ももらっている客に対してする仕打ちじゃない。
2.非購読者は月4,000円
こうすれば電子版読む人はおまけで新聞がついてくるから、下手すりゃ部数が伸びるんじゃないか。
便利じゃない
サービスというものは、お金を払った人がより便利で待遇を良くしなければならない。ビジネスクラスだと早く、簡単に飛行機に乗り降りできるとかね。
有料サービスの難しいところは、家庭や会社などアクセスする場所によって、サービスへのサインインが必要になり、ブラウザが変わるごとにIDとパスワードを何度も入力させられるようにることで、不便になること。
これを回避するのは相当に困難。携帯、もしくはiPhoneのような始終持ち歩くデバイスに狙いを絞った方が、環境の変更が少なくなるので便利問題の解決はやりやすい。
ソーシャルじゃない
ここは湯川さんもいわれている。日経の本質は「日本ビジネスマン会報誌」であることなのだ。日経を読むことで日本ビジネスマン会の会員になり、その会費として日経新聞を購読しているのだ。この要素をWeb上に丁寧にトレースすることが大事なのだが。
この観点でいうと、パーソナライズは本質的なサービスでは無いのだ。全員が同じ情報を見ることが、日経新聞の価値であり評価なんだよ。
そして決定的に欠けているのがソーシャルな機能である。ネットは既にソーシャルメディアの時代へ移行した。にも関わらず、日経の電子新聞はいまだデジタルメディアの領域から抜け出ていない。これが日経電子新聞事業のこれからの最大の課題だと思う。