社長BLOG
テクノロジストのアウトドア入門
- 2010-04-12 (月)
- 社長BLOG
自分には仕事や研究以外の趣味がほとんど無い。少しはまっとうな趣味を持とうかなと思い立ったのが一年ほど前。いいかげんそろそろ決めなくてはまずい。そういえば小さな頃から山や畑はよく行っていたので、その延長でアウトドアを趣味にしようと思い立った。
試しにアウトドアグッズを見てみたのだが、これが自分にとって、とても魅力的なのだ。装備を軽量化するため極限までコンパクトにまとめられている道具たち。聞いたことも無いような新素材を使ったテント。灯油でもガソリンでも無い特殊な燃料。これはハマる要素が満載だ。もっと深掘りしてみよう。
手始めに、そもそも既存のアウトドアのスタイルを分類すると次のパターンになるのではないか?と、客観的な分析をしてみた。
・スポーツ系
山登り、ランニング、マウンテンバイク、釣りなど。本格的な趣味があり、その延長線として必然的にアウトドアになるケース。
自分の親戚は大学時代ヒマラヤ登頂にチャレンジしていたそうで、これは本物のアウトドアだ。
装備に無駄がなく、本気レベルが高い。
・生活系
キャンピング、料理、畑、ものづくりなど、自然の中で生活の一部を行うことを目的としたアウトドア。
忙しい都会を離れ、休日に自然の中で生活したいという思いからアウトドアになるケース。かなりの偏見も入っているが、普段キッチンでもやらないパンを焼き、コーヒーを豆から炒る。家庭のキッチンでも簡単じゃないのに、装備の少ないアウトドアでやるのは相当難しくない?って心配になる。
・スタイル系
ここには、夏フェス、森ガールなどのブームに乗って、ファションからアウトドアに入るタイプが当てはまる。
ファッションブームはすごい!泥だらけになる長靴なのに、ものすごいキュート&カラフルになっている。
幼稚園の頃自分が履いていた水玉の長靴を現代風にしたような感じ。
こんな商品が、実際に作られている。
・コレクション系
一方のコレクション系は、カッコは派手では無いが持ち物がすごい。
プロ用の高価な機材を次から次へと買っていく人たちだ。
典型的なのがJET BOILだ。
※JET BOILを地上で持っている人を見かけたら、コレクション系の疑いがある。
容器の側面には保温カバー、下側には金属のフィンがついている。下のフィンが熱を効率的に伝え、100秒で沸騰するんだって。完全にエクストリーム仕様なんだけど、こんなのを買っちゃうのがコレクション系の人。
この商品、だいたい15,000円で売られている。お湯沸すにしてはちと高い。
よっぽどの環境にいる人でなければ、お湯が100秒で沸こうが200秒で沸こうがどうでもいいんじゃないか。それよりも100秒で沸くっていうことは、もう100秒熱していたらどうなるか?
そう、焦げるのだ。
熱の効率が非常に良い分コントロールが難しい。プロ向け、ピーキーな製品なのだ。こんな感じで、ハイエンドなグッズを収集してしまうのがコレクション系の傾向だ。
本気のエクストリームアウトドアなひとから見ると、「なんでお前冬山登るわけでも無いのに、そんな高い寝袋と登山用テント持ってるんだよ」なんて言われたりする。「そもそもおまえ、オートキャンプじゃないか」なんて。
まあプロだけに作っても商売成り立たないので、メーカー的には非常に大事なお客さんだ。
ここまででアウトドアファンの類型をまとめてみたけど、自分は何になるんだろう?
本気で山に登ったり、釣りに打ち込んだりするわけじゃないので、
ポジション的には生活系の部類に入るんじゃないかと思う。ただしコレクション系にならないように注意しながら。※ハイエンドなプロ向けの道具はものすごく魅力的なので自戒の意味も込めて。
プラスするオリジナリティとしてはこんなところだろう。
・ノマドスタイル的な視点
個人的に、新しい働き方としてのノマドワークスタイルを探っているので、その延長としてのアウトドアも考えてみたい。装備や考え方で共有できる部分もありそうだ。
・テクノロジー的にクール&クレイジー
テクノロジー的なクールさは追い求めたい。一般のアウトドアファンから見たらクレイジーに見えるぐらいの。たとえば森の中でプログラミングやっていたとき、クールと思うかクレイジーと思うか?もちろん自分はクールだと思うよ。だって、森の中で作曲をしていても、絵を描いていても、彫刻をしていてもみんなクールだと思うでしょ?それと同じ。
・合理的、実用的、経済的
合理的でも実用的でも経済的でも無いJET BOILは買わない。ダッチオーブンは本当に便利なのか?バーナーは?ぶっちゃけ燻製はうまいのか?など、テクノロジストとしての分析的、批判的な精神を持ち、リーズナブルで実用的なところを目指す。
※今、自分はバーナーよりもカセットコンロに注目している。
・自然に対する敬意、ムードも忘れずに
とはいえ、せっかくアウトドアするのだから、テクノロジーや合理性だけで片付けるのではなく、ムードも重視したい。大荷物かかえて不便な山の中に入る行為が、そもそも経済的ではない。自分はムードやインスピレーションを求めて、アウトドアに興じるのだ。
例えば燃料効率が悪いとわかっていても、蛍光灯やLEDのランタンは光が柔らかくないからなるべくやめとこう。というところかな。
テクノロジストの視点で斜めからアウトドアに入門していったらどうなるか?
これからの展開が楽しみだ。