社長BLOG
電子出版の短期、長期戦略
- 2010-04-25 (日)
- 社長BLOG
短期:所有感(マテリアル感)の演出による課金
ユーザーはモノの所有に対しては、今のところかなりのお金を払う。
PC上のカレンダーはお金払わないけど、紙の壁掛けカレンダーにはお金を払う。
ネットに転がっているグラビア画像にはお金を払わないけど、iPhoneの写真集にはお金を払う。
DVDBOXにもお金を払うし。話した例がデジタルアナログ混在だけど、所有したい感覚、手元に置きたい感覚は共通していると思う。
電子書籍でもこの感覚を感覚を演出することが、短期的にはよさそうだ。
長期:ソーシャル化による会員ビジネス
今後出版物は、情報を提供する「情報キャリア」という側面と、特定の人を引きつける「旗や柱」としての側面の二つの要素で展開していくようになる。柱というのは表現しにくいが、この指とーまれの指だと思うと分かりやすいかもしれない。
長期的には既存メディア側がどう思っても、価格低下圧力は強まる。
無料か、課金してもものすごく安い単価でしか儲けられなくなる。
なぜなら、制作や流通にかかるコストがどんどん下がって、代替手段がバンバン出てきて、比較優位がなくなってくるから。
ただ、現在でも無料で発行出来ている媒体は少なくない。
ファンクラブ会報誌が無料なのは、ファンクラブの会費か、CDやイベントの売上があるからだし、クレジットカードに付いてくる会報誌も、カード本業の売上で発行されている。
ソーシャルメディア時代では、情報よりも「人と組織、そのつながり」が重視される。
「短期的にはマテリアル感を演出したサービスを展開し、来るべきソーシャル時代に備えた模索を開始する。自らの価値を毀損する自爆にだけは注意して。」