社長BLOG
オープンソースビジネスモデルの類型
- 2010-05-19 (水)
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最近の講演でヒットしている話。
手嶋屋がOpenPNEプロジェクトを進めるにあたって、
どんなビジネスモデルを選択しているのか?
先輩のオープンソースプロジェクトにおけるビジネスモデルの類型を4つ示した。
自社ソフトウエアのオープンソース化を検討している方は是非とも参考にしていただきたい。
Zope先生「OSSで開発能力を示し、有名になる」
OpenPNEの立ち上げ当初採用したモデル。技術開発会社である手嶋屋が、SNSブームの中で効率的なPR活動を行った。受託する仕事は必ずしも作っているOSSでなくても良い。広報、マーケティング力が足りない場合でも、優れたソースコード自体を公開することで、自己の技術力をアピールすることができる。
毎日ちゃんと改善コミットしている、このソフトウエアは進歩を続けているんだ。
公開されているソースコードの品質チェックをしてみたけど、レベルが高い。
多くのユーザーが既に使っている。
こうした事実が、チームの能力を証明してくれる。
MySQLアニキ「商用利用は、なるべく有料」
OSSと商用のデュアルライセンスモデル。オープンソースとして使う分には無料だが、エンタープライズ版の機能を使う場合、商用サポートを得たい場合は、商用利用とみなされライセンス料金を徴収する。商用ライセンスを的確に設定できれば強力だが、製品によっては設定しにくいこともある。
OpenPNEの開発初期段階で選択した。
WordPress先輩「ソフトウエア無料、ホスティング有料」
付加価値提供型。商用ライセンスは用意せず、大規模な運用ノウハウを背景にホスティング、決済、広告、セキュリティなどの必需品サービスを有償で提供する。WEB設置型のオープンソースは、当然WEBサーバ上で動かすので、安定したサーバ環境一式を提供するというのは、素直なビジネス方法だろう。手嶋屋が現在目標にしているモデル。
RedHat師匠「組み合わせ保証サービス」
数多くあるOSS製品同士の組み合わせを検証し、安定して動作することを保証する。Redhatでは商用版(Redhat Enterprize Linux)とフリー版(Fedora)があるが、商用版のほうがフリー版よりも機能が少ないのが特徴。「機能が少ないが、安定して動作する組み合わせ」を保証しているので、フリー版が「機能は豊富だが、安定して動作するかどうかはわからない」という状況を作っておいたほうが商売がしやすいのだろう。
この点でSugarCRMやAmandaとは逆だ。これらは、無償版のほうが小さく、有償版のほうが大きい。
アクセサリモデル、書籍モデル、シェア獲得モデルなどいろいろあるが、手嶋屋が選択しても意味が無い方式なので、割愛。