社長BLOG
48,000円も取っているのに、顧客のことを知らない新聞
- 2011-05-23 (月)
- 社長BLOG
新聞の話。朝夕刊合わせて大体月に4,000円。年間で48,000円程度。朝刊だけ取っても36,000円ぐらいになる。
普通、年にこのくらい取るサービスであれば、たいてい顧客のことを覚えてくれるようになる。
居酒屋。月2回2,000円ずつ年に24回も同じ店で飲んでいれば、主人がドリンクや小鉢の一つでもサービスしてくれるだろう。
美容室。これは当然。月に一度3〜4,000円というところか。
携帯電話。料金明細には名前が入っている。個人向けにポイントが貯まったりもする。
年48,000円の重みとはこういうものだ。
新聞は性質上、新聞を配達店に卸し、配達店が個々の世帯に配布するので、顧客の情報は持っていない。
でも顧客にとってみれば、配達店の顧客であるという認識は無い。
朝日なら朝日、読売なら読売とそれぞれの新聞社の顧客だと思っているだろう。
新聞社は顧客管理ができていないことを、たいていこのあたりの仕組みを言い訳にしている。
新聞社のデジタル化の最初にして最大の課題は、この顧客の認識である。
年に5万近く払っている顧客が、わざわざWebサイトまで訪問してきてくれたのに、
今、新聞社側はその区別がつかないのだ。
イメージしてみよう。
月に2回通う居酒屋、月1で通う美容室で、年に5万円近くのお金を落とす。それで自分のことに気づかず、一見さんと同じように扱われたら?
ちょっとムカっとこないだろうか?新聞社はこの仕打ちを顧客に対してしているように見える。
新聞社がデジタル化、ネット化する上で取るべき戦略は、
配達店に怒られないようにしながら、顧客と直接のコミュニケーションチャンネルをつくる。
これが王道である。自分としてはこの道しか通り道が無いと思うんだ。新聞には。
新聞社は電子新聞ビジネスを始める前に、顧客を認識するという仕事から始めるといいだろう。
顧客とは、販売店が持っている世帯情報ではない。新聞を実際に読んでいる読者の情報だ。
※自分は実家の新聞代払ってるけど、自分が読んでいるわけではない
発行部数×3人分の顧客の認識を完了すること。
まずこれからだと思う。