社長BLOG
お伊勢講について
- 2013-05-30 (木)
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今年は25年サイクルで行われる式年遷宮の年。
テレビでも特集が組まれるので、なんとなく気になった。
面白かったポイント
・「一生に一度はお伊勢参り」は、伊勢神宮を復興するためのキャンペーン企画であった
・当時農民や奉公人の移動は制限されていたが「伊勢神宮に行く」という名目であれば何故かスルーされた
・伊勢への旅行は基本的に全て徒歩、江戸から往復30日かかる大変な長旅であった
・当然費用も膨大にかかり、庶民の少ない蓄えでは伊勢への旅行は困難であった
・お伊勢講というシステムが考案(伊勢神宮のスタッフから、庶民に伝授)された
・戦前まで機能していたが、講がギャンブルの一種とみなされGHQに廃止させられた
お伊勢講のシステムは、ざっと次のようなかんじ。
村の仲間30人で1万円ずつ出し合って30万円の予算を作る。または、それを複数ヶ月ためて旅行に必要な額まで貯める。
かけた仲間の中でくじ引きをし、当選した人が総取りして、その予算で村の代表者として旅行に出かける。
伊勢神宮では、代表者として伊勢講に参加した村人全員の祈願をし、御札やお守りをおみやげとして購入する。
現代では、移動に30日もかからないし、生活に余裕もあるのでわざわざみんなでお金を貯めるようなことはしない。
でも、なんとなく伊勢講のしかけで、旅をするのはとても充実しているんじゃないかと思う。
・たとえ1人でも、30人分のお祈りをするという使命を持って旅に出かけられる、一体感がある
・旅立ちを応援してくれる、旅の帰還を祝福してくれる29人の仲間がいる
・当選した時は、自分でコツコツお金を貯めるのに比べて得した気分になる
・トータルでは一回分の旅行費用しか払っていないのに、30回バーチャルな旅をした気分になることができる
・途中まで掛け金をかけて抜け出すのは損であるので、村のコミュニティが長期安定化する
こうしたメリットも考えつく。
コミュニティの長期安定と、現代のお伊勢講を考えてみたくなりました。